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NEXCO総研

遠方照射型電波吸収体性能測定

電波吸収体性能測定

電波吸収体はETCレーンにおいて路側機器の標準配置間隔が取れない場合や、高架下料金所など電波反射への対策が必要となる環境において、不要な電波反射を抑制し車載器と路側アンテナ間の電波環境改善のために設置されています。ETCは全国サービス開始後10年以上経過しており、電波吸収体の経年劣化診断、経過観察は良好なETCサービスを継続するため非常に重要です。

電波吸収体の反射率測定の課題

トールゲート上屋の天井面に設置された電波吸収体の反射率測定には、レーン規制のうえ高所作業車が必要かつ屋外測定に起因する測定誤差要因が多かった点について、抜本的な測定手法の改善を検討しました。

課題 測定用アンテナを電波吸収体に接近させる必要があり、高所作業車を使った手順が複雑で測定に長時間が必要。
 

解決策 路面上から測定できるアンテナと測定手法を開発し、測定手順の省力化と測定時間の短縮化を図る。
反射率測定の様子
課題 台車上のアンテナと路上の測定器を結ぶ測定系の位相変化や現地での校正作業に伴う誤差要因が多い。
 

解決策 測定器を小型化し、アンテナと並べて位相変化を抑制、校正値をメモリ読み出し方式にして、現地校正を廃止。

遠方照射型電波吸収量測定装置の製作

これら従来型の測定への課題を解決するため、電波レンズを用いた測定装置を製作しました。通常のアンテナは測定用電波が拡散するため、測定対象となる電波吸収体から75cmの一定距離から吸収性能の測定を行っていましたが、この測定装置により、測定対象の真下の路面から遠方照射により電波吸収性能の測定が可能となりました。

遠方照射型電波吸収量測定装置の原理 遠方照射型電波吸収量測定装置設置の様子01 遠方照射型電波吸収量測定装置設置の様子02

アピールポイント

同一箇所において従来型の測定装置と本装置で測定を行った結果、レーン閉鎖を要する時間が5時間から3時間に短縮されました。また、測定時の高所作業車のゆれ等に起因する測定値のばらつきも除去され、良好な測定結果が得られるようになりました。

測定結果グラフ