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NEXCO総研

高速道路で培われたNEXCOの道路緑化技術

 
  NEXCO総研の緑化技術センターで生産された地域性苗木は、これまで約200種類・80万本が、新東名・新名神など全国11路線に植樹されています。その中には、発芽までの涵養や育成の難しい樹木、公共用緑化樹木として市場に流通していない樹種や、地域で希少とされレッドデータブックで絶滅危惧種等に指定されている樹種もあります。

これまでNEXCO総研の緑化技術センターで生産された樹木種(例)

アオギリ イヌビワ ウツギ クスノキ
シデコブシ センリョウ ミツバツツジ ヤマブキ

 
● 名神高速道路の建設から始まったNEXCOの道路緑化技術

 1964(昭和39)年に開通した名神高速道路の、中央分離帯の植栽研究から始まった高速道路の緑化技術は、のり面の緑化工法を進化させ、地域性苗木の技術の基礎となりました。
名神高速道路建設以前の主なのり面緑化工法は、張り芝、筋芝や植生板でしたが、これらの工法は、それまでになく大規模な工事に不向きな側面がありました。このため、NEXCOの前身となる日本道路公団は、 1958(昭和33)年に急速緑化工法となる種子吹付工の実用化の目処をつけ、名神高速道路の建設後期には、現在では当然とされる「切土のり面を種吹付工」「盛土のり面を種散布工」とする適用区分を確立させました。そして、1974(昭和49)年には盛土のり面は樹林化する方法を基準とし、切土のり面はのり面自体の安定性を考慮して、植生工(草本)により初期の侵食を防止し、後には自然の遷移に委ねるという基本方針で、高速道路の緑化を図ってきました。各道路に導入された植生は、時間と共に変化していくので、植物相や昆虫相などの実態調査も行われました。
開通当時の名神高速道路・象鼻山付近 開通30年後の名神高速道路・象鼻山付近